2011年 06月 28日
オオムラサキ放蝶で思うこと
カチカチ山で飼育してきたオオムラサキを自然に放つ会が日曜日に行われた。
私もシューを連れて参加してきた。
飼育舎の建設から始まって、
飼育のほとんどはW氏を中心とする男性会員さんたちがこなしてくれたが、
私もエノキ保護袋を作ったり
葉の少ない木にいる幼虫を葉の多い木に移動させたりと
少しは世話にかかわってきた。
シューも、山での幼虫探しや幼虫観察など
おそらく山に来る子どもの中では一番頻繁に幼虫や蛹に接してきたと思う。

【放蝶の練習】
放蝶会では羽化した5頭を子どもたちの手でカチカチテラスから空に放った。
各地で同じようなイベントが行われたようで、明日香・甘樫丘では300頭を放ったとか。

微々たる数だが、
あの小さくて茶色かった幼虫が
鮮やかな紫の見事な蝶になり
羽ばたいていく姿を見るのは感動的だった。
【オオムラサキ(オス)】
「シューも(放蝶)やりたい…。」
高学年の子どもから放蝶を体験させ、最後の1頭の放蝶を
シューと女の子で争うか?と思われたが、
女の子のおかあさんが、「うちはもうお兄ちゃんがやらせてもらったので」と
辞退してくださり、めでたくシューが最後の放蝶をさせてもらえることになった。
親である私はホッとして、そのおかあさんに感謝した。
この日だけやって来て、放蝶だけして帰ってしまう子より
上に書いたように、幼虫探しからかかわり、何度も山に来て幼虫や蛹を観察したシューに
是非、放蝶もやらせてあげたかったのだ。
私も、「チョウチョになったら小屋から出して放してあげるんだよ」とずっと話してきた。
その場ではまさかこんなことは言えないので
シューも放蝶させてもらえて、親として本当にありがたかった。
帰宅してからシューは嬉しそうに話していた。
「シューがパッて放したチョウチョがパ~ッて飛んでいって
下の草のところにとまって、み~んなそれを見てたよ。」 【シューも放蝶できた!】

私もオオムラサキにかかわって、少しはこのチョウのことを知ることができた。
いろいろあるが、「放蝶」という行為が無益という主張があることも知った。
大量のオオムラサキを放っても
鳥のエサになったり、周辺に樹液を出す木が十分なかったりで
生存率は5%と言われているらしい。
また、数を増やそうとして、ほかの場所から譲ってもらった幼虫を飼育して放つのも
本来その場所にいる個体群の遺伝子を乱すとかで
無益どころか有害だと言う研究者もいる。
その研究者は、本当に数を増やしたいと考えるのなら
エノキやクヌギを育てるなど、生育に適した環境を整えるのが最も有効と訴える。
美談のように各地で報道される放蝶会だが、
飼育・放蝶がこういう側面も持ち合わせていることを知り
かつての里山を真に取り戻すことの難しさを痛感した。
さてさて。カチカチ山での放蝶会も無事終わり
みんなでお弁当を食べた後はお遊びタイム。
ほかの多くの人たちは割と早めに切り上げて帰ってしまったが、
私とシュー、会長さんなど計6人は3時過ぎまで山にいた。
シューは虫探し。クワガタやカミキリだけではない。
小さな小さな青虫を指に乗せて、借りたルーペで観察したり、
水鉢に住んでいるトノサマガエルにちょっかいだしたり、
放ったオオムラサキがクヌギにとまっているのを双眼鏡で見たり、
私のデジカメを取り上げてあれこれ撮影したり、
ハンモックを体験させてもらったり。
めいっぱい里山を楽しむことができた。


大人も風の通るテラスに座ってあれこれ話したり
落ちてきたケムシを観察したり、本当に気持ちよく過ごせて、楽しかった。

シューは今どきの子どもにしては珍しく、一つも習い事をしていない。
でもカチカチ山で遊んでいると、塾や習い事に行かなくても
小学校1年生の子どもにはこれで十分なんだ、これが素晴らしい学習なんだ、と思える。
それが正解かどうかはわからないが、
少なくともシューにとっては良いことだと確信できる。
今週もまた、シューを連れて山に行こうと思う。


寒い冬の幼虫探し、暑い夏の羽化。昆虫の成長を見守りながら、シュー君はたくさんの事を学べましたね。
関わった人の想いが複雑に交錯するオオムラサキ騒動だとも感じます。
小学生が校庭でエノキを植えて、観察して、自分達で樹液を出す木が有る場所を探して、放蝶する学校も多いそうです。
シュー君の学校でも出来る様になるといいですね
・・・ヤゴさん、残念でした・・・
小さな命でしたが、きっとシュー君にとって、良い経験だったと思うのです!

自分が1年生だったときのことを考えると、
シューの心にどれだけのことが残っているかわかりませんが、
少しずつのことが重なって、よい経験・楽しい思い出になると思います。
オオムラサキ飼育に一から頑張る学校もあるのですね。
子どもたちより先生の方が大変でしょうが、羨ましいです。
ヤゴ、本当に残念。毎朝毎夕、様子を見ていたので
あんな小さな生物でもいなくなると寂しいです。
拝見しながら、シューくんにはどれもなんて素晴らしい体験なんだろうと思っていました。
夢中になれることを見つける手助けをしてあげるのが親だとしたら、習い事も一つの方法だと思うけれど、やはり安易な方法なのかも・・・とも思います。
結局、どちらが必死なのかと迷うことも多し。
里山活動を心から楽しんでらっしゃるカトさん親子、素敵だと思います。

読んでくれてありがとう。
習い事をしていないけどいいのかなあ…とずっと思っていましたが
オットも「まだ必要ないんじゃない?それより遊んだ方がいい」と言うので
そうだよね~、ということで現在に至っています。
なにしろ親子でおもしろいの、里山。それだけなのです。
でも近頃では得難い体験もたくさんできるので、
きっとシューの身になると信じています。
里山仲間の大先輩方も、子どもを頻繁に連れてくることを
「いいことだよ、かとさん」と励ましてくれます。
もうしばらくこの調子で遊んでいたいと思います。
keiさんも嬉しいコメントをありがとうね!
アキーニョくんももう少し大きくなったら来てね~♪

いつも悩んでいるのですが、クチナシの葉にアゲハチョウの幼虫、モッコウバラの葉にシジミかモンシロチョウ幼虫がいて、パクパク葉っぱを食べているの。ほっておくと丸坊主になるので取ってしまうのですが、アゲハチョウなど蝶がいなくなったらつまらないし、どうすれば良いのでしょうね。
適当に蟷螂に食べられてもいるのですが、悩むところです。
シューくん、放蝶できて良かったですね。
いつも里山に来て観察したり親になったつもりで成長を見守ったりしていたんですもの。
その日だけ来る子たちとは思いが違いますもんね~
親子で楽しい里山、自然だけでなく里山に集まる人々との触れ合いもとっても良いと思います。
習い事は、うちの子は小学校に入学する前からピアノ習っていました。
ピアニストにはならなかったけど(あはは)、高校時代バンドを組んだり、学生時代は区のシャンソン教室でピアノを弾くボランティアしたり、小さなフランス語教室でのパーティーでピアノの弾き語りしたり、友達の結婚披露宴で演奏したりしています。
下手の横好きとでも申しましょうか、きっとかとくみさんの方がピアノ上手よ♪

チョウは見たいけれど丸坊主は困る…ホント悩みどころですね。
何匹もいるんですか?1~2匹なら大目に見てあげるか
飼育ケースに葉っぱごと移して箱入り娘にするか…。
うちにモッコウバラにはどういう訳か幼虫来ません。
でもすぐ近くにあるそれ以外のバラには
ときどきチュウレンジハバチの幼虫がうじゃうじゃいて
むしゃむしゃ食べまくっています。
発見次第、葉っぱごと離れた場所にポイします。
里山のこと、K.I.さんも温かいコメントをありがとうございます。
そうなんです、生き物や花木だけでなく、いろんな方との話がまた楽しいのです。
シューも火に余分な薪をくべるなど悪さした際には叱ってもらってますし。
息子さん、ピアノ弾かれるんですね。しかも、弾き語り?すごい!
そういえば私も幼稚園からピアノ習わされていたんでした。
練習嫌いでしたが、今では習わせてもらってよかったと思っています。
私もピアニストにはぜんっぜんなろうと思わなかったし
なれないですが…。