実歴阿房列車先生

◆2014年9月11日(木)

百閒先生のお伴である「ヒマラヤ山系」こと平山三郎氏が
阿呆列車の旅の裏舞台や先生の暮らしぶりなど
身近にいる人だからこそ知り得る百閒先生のあれこれを著した本。

e0091161_2245589.jpg  百閒作品中では「朦朧軒」などと呼ばれて
  百閒先生との会話での受け答えも「はあ」とか「まあいいです」とか
  いかにも気のなさそうな感じだけれども
  この本を読んでいると、平山氏は百閒先生を愛し、
  百閒先生は平山氏を必要としているのだということが
  本当によくわかる。

国鉄職員であり、かつ百閒先生の弟子である平山氏は、百閒先生より28歳年下。
であるにもかかわらず、百閒作品の校正・出版のほか、
先生の身辺の面倒をいろいろみて、
口数少なくも、大きな懐でドタバタすることなく
遠巻きに先生を包み込んでいるようで
百閒先生の保護者のような感じさえ受ける。

「御慶の会」や「摩阿陀会」に出席できなくなってからの
晩年の百閒先生の様子は読んでいて切なくなる。
図書館で先生の悲報を受け取った時の平山氏の動揺はいかほどだったか。
当時編集していた百閒作品「日没閉門」の出来をどれほど先生に見せたかったことか。

その平山三郎氏も2000年にこの世を去った。
天国でもまた用事もないのに汽車に乗って二人で出かけていることだろう。




  ※『実歴阿房列車先生』は絶版のようです。













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by lesjoursk | 2014-09-11 22:49 | | Comments(0)


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